【レコード】ULTIMATE BREAKS & BEATS【UBB】
レコードは魅惑の円盤。というのは昔知り合ったDJがつぶやいた一言なんだけど、レコードは買い始めたらあれもこれも欲しくなる不思議なものなんだ。
今でこそストリーミングがあるけど、俺は「これはレコードで欲しいな」と思う時は買うようにしてる。
タイトルにある通り今日は「ULTIMATE BEAKS & BEATS」というレコードのレビュー。略してUBB。ひと昔のDJやビートメイカーなら必ず持ってる名盤。
なぜ今さらこれをお勧めするのか、実体験に基づいてその理由を解説する。
「レコード 1枚も持ってない人」も「UBBくらいもう持ってるよってブラウザバックしようとしてる人」も是非見てってほしい。
この記事の目次
ULTIMATE BREAKS & BEATSってなに?
収録されてる曲
なぜ人気になったのか
UBBの良い所
サブスクでも視聴可能
ULTIMATE BREAKS & BEATSってなに?
要するに、いろんなアーティストの良い曲だけ集めたコンピレーションアルバム。
びっくりするのが収録されてるアーティスト側に一切許可取っていなかった。
いわゆるブートレッグ(海賊版)とかその類になる。
今だったら絶対ありえないと思うんだけど、当時皆こぞって買ってかなり売れていたそう。
2022年になってもUBBのグッズは出るし、ニッチだけど、すぐに売れ切れになる辺り日本でも熱狂的なファンは多い。
UBBシリーズは1986年~1997年までに発売された全25作品。
2003年~2008年はCD化やコンプリードボックスなども再販もされている。
実は幻の26作品目も存在しているって話もあったりなかったり。
販売元がStreet Beat Records、品番はSBR○○になっている。
収録されてる曲
収録曲は1966年から1984年に発売されたファンクやソウル、ロックなどが多く収録されている。具体的にはJames Brown、Rolling Stones、Tom Jones、Roy Ayers、Funkadelicなど豪華なアーティストで編成されているが、ブートレッグ故にレコードには曲名しか記載されずアーティスト名は記載されていない。
なぜ人気になったのか
UBBがなぜここまで人気なのかというと、収録されている曲の多くはドラムブレイク、つまりドラムのソロパートが含まれており、このレコードさえあれば、複数種類のカッコイイ生ドラムを誰でも簡単にMPCにサンプリングすることができた。
また、DJは2枚使い用のネタとしても重宝された。
SBR503に収録されている「Apache」のイントロはHIP HOP好きなら擦り切れるほど聞いたことがあるはず。USの有名プロデューサーもこぞってサンプリングしていたんだけど、UBBからサンプリングしたって言わないことが多いらしい。
しかし、UBB製作者のLouis Floresはレコード作成時に、オリジナル楽曲よりわざと回転数を変えたり、ノイズが入っている位置を覚えていたから「この曲はUBBからサンプリングしたな」って識別できたらしい。超人すぎやしないか。
UBBの良い所① 安く手に入る
UBBシリーズのLPは比較的安く手に入れることができるんだ。
どのくらい安いことなのかってことを解説するんだけど、まず中古で1枚500円~1500円ぐらいの価格。中古レコードの中でも安い部類に入ると思う。
スタバの高いコーヒーか横浜家系のラーメン1杯と値段は変わらないじゃないか、という食べ物換算の発想。
じゃあ、もしUBB収録曲を別々のレコードで買ったらいくらぐらいになるのか、換算してみた。例えば、SBR503の収録曲をDiscogsで調べた中古相場は以下。
GOT TO BE REAL - $25
APACHE - $15
DANCE TO THE DRUMMER'S BEAT - $10
BONGO ROCK - $15
GIVE IT TO YOU - $20
PUSSY FOOTER - $5
各曲を別々に購入した場合、合計で$80=約9,000円。
SBR503は500円だから、8,500円もお得に買える。UBBさまさま。
逆に下取り価格も安くて、SBR503(未開封)をdisk Unionで下取り価格を聞いたところ、買取価格100円~500円。理由は流通してる量が多すぎるとの回答。期待はしてないけどっ!
UBBの良い所② どこのレコードショップでも買える
disk unionとHMV、あとヤフオクで購入したことがある。
大量に作られたものだから、2022年現在でも中古もそこそこ良い状態で残ってる。
どこか繁華街に出かけて、たまたまレコードショップがあって入ってみたら見つかる。
そのくらい高確率で出会える可能性がある。ハンパないエンカウント率。
場所はHIP HOPコーナーのV.Aコーナーでよく見かける。
中古品なので購入する際は、ジャケットとレコード自体の状態を選んで買うことをお勧めする。
UBBの良い所② アートデザインが素晴らしい
一部無地もあるけど、ほとんどのジャケットに描かれているアートが素晴らしいと思う。
UBBがここまで人気なのは、このアート+音楽と言っても過言じゃない。実際、俺もこの絵が描かれてなかったら、買ってないと思う。
この絵はよく見るとかなり手が込んでいて、スプレーで書かれた部分とペンと筆で書かれような印象。ちなみに作者は不明。
人気のジャケットアートはフィギュア化されてプレミアム価格になっていたり、2022年にはSakaiとコラボしてアパレルをリリースしている。
(プレミアム価格18万でくらい)
サブスクでも聴くことはできる
とりあえず、どんな曲が入ってるか気になるならSpotifyでも聴くことができる。
ただ、Spotifyに登録されているけど「日本だと再生できない楽曲」や「そもそも登録されていない曲」が存在するので、レコードと完全に同じプレイリストの再現ではないのは要注意。
Spotifyのプレイリスト
サブスクはあくまでサービスの利用権を買ってるだけなので、サービスが終了になったときや、会員ではなくなったときに音楽を聞けなくなる。これがサブスクの弱点。
月額980円×12カ月=年間11,760円払っても一切自分の資産にはならないところはレコードの方が優れてる。
ということで、UBBのレコード版の紹介でした。
DJ歴長いけど持ってない人も、インテリア好きにも、これを機にレコード買ってみたいって人にもお勧め。多くの人にとって満足度の高い買い物になると思う。
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